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メールマガジン『学級通信のネタ』バックナンバー

第156号


☆グシャグシャのケーキ
 四十代半ばの男性が、貧しかったご自身の小学生時代の苦い思い出を、新聞に投書していました。まずはその一部を紹介しましょう。

 『…食べ盛りの兄弟が4人もいたので、毎日の食事を確保するのがやっとだった。そんなある日、母が何を思ったのか、上等なデコレーションケーキを買ってきてくれた。 甘い物に飢えていた私たちは、そのケーキを見て、誰がどこを食べるかを巡り大げんかを始めてしまった。すると、私たちのけんかにあきれた母が、 いきなりケーキのデコレーション部分をグシャグシャにし、「さあ、どこでも好きなところを食べなさい!」とどなった』

 最近はどんな食べ物でも、すぐに手に入ります。ケーキであっても、確かに機会は少ないかも知れませんが、君たちだって、ときどきは食べることができるでしょう。 コンビニがあふれ、いつでもどこでも、好きな食べ物を手に入れることができる時代になりました。

 しかし、そうしたなかでも、生活が貧しい人がいることは事実ですし、好きな食べものも、食べたいけれども我慢している人たちもたくさんいるはずです。 そう考えると、君たちは、とても恵まれているかも知れませんね。

 この男性の話しを読んで、お母さんの気持ちが分かりますか。何かの記念日、というわけではなかったようですが、きっとそのお母さんは、 「普段はなかなか食べさせられないケーキを、子供たちに食べさせよう」と、大変な苦労をして買ってきたのでしょう。臨時にお金が入ったのかも知れません。 節約し続けて、ようやく使えるお金ができたのかも知れません。しかし、そうして買ってきたケーキも、結局は兄弟げんかの元になってしまったという現実。 とても悲しい思いだったはずです。だから、こどもへの教育として、ケーキをグシャグシャにしたのです。 本当ならば、子供たちが、喜ぶ姿、幸せにケーキを食べる姿を予想していたはずが、全然正反対の出来事になってしまったことに、本当に怒ってしまったのかも知れません。 ですが、グシャグシャにしたことは効果てきめんでした。お母さんの思いは、確かに子供たちに伝わったはずです。 男性は、そのあとの文章で、『めったに口にすることができなかったケーキが、妙に味気ない食べ物に感じられた』と結んでいます。

 飽食の時代となった現在、食べ物に対しても、『感謝』を忘れがちになります。「どんな思いでその食べ物が作られているのか」、 「この食べ物を作るために、どれだけ多くの人や自然が関わっているのか」、「お母さんは、どういう思いで食事を作っているのか」ということを、 ときどきは考えてみるとよいと思います。日本だけが当たり前、我が家だけが当たり前になっていることが、たくさんあるように思えます。

 ケーキをグシャグシャにすることは、勧められることではありません。感心することでもありません。しかし、そこまでしてでも、お母さんは子どもたちに伝えたかったのです。

 「自分勝手になるな。自分のことだけ考えるな!」、と…。

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このページの更新履歴

2019/01/04 修正
2005/12/12 公開


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